現地スタッフより
ホイリゲで乾杯!
カンパーイ
11月になるとこちらオーストリアでは間もなく解禁される新種のワインの準備のため
どのワイン農家も大忙しです。解禁日は農家の守護神であります聖マルティン祭11月11日です。
秋の収穫を祝うこの日に、ぶどうの豊作の感謝もかねて一斉に新酒のワインが売り出されます。
オーストリアワイン農家の軒下、ブドウ畑の周辺で自慢の新酒ワインを売り出す姿があちこちで見ることができます。また、ホイリゲ(ワイン農家が経営する居酒屋)でも新酒のワインを堪能できます。
このホイリゲは2つの意味がありまして、
一つは「今年のワイン」
新酒のワインは、オーストリアで
「ホイリゲ」と呼ばれています。
もう一つは
「ワイン農家が経営する新種のワインを飲ませる洋風居酒屋」
です
18世紀までは、ワイン農家は仲買人を通してでなければ
ワインを販売することができなかったのですが
皇帝に直談判をした農家の人たちの功績で自分たちの畑から作られたワインのみを、農家の軒先で市民の人たちに販売してもよいと許可を得ることができました。
またその際におつまみとして、予め作り置きしておいたソーセージやサラダなども販売してもよいが、レストランではないので注文を受けてから料理してはいけないという、制限付きの小料理を販売する許可も得ることができました。
新酒のワイン「ホイリゲ」を農家に飲みに行こうの市民の合言葉が
いつの間にか飲める場所も「ホイリゲ」と呼ばれるようになった由縁です。
今では、レストランと同時に経営しているところがふえたようですが、伝統を守った
ホイリゲは、ワインはテーブルで注文、食事はビュフェのみでしか購入することができませせん。
お味のほうは、オーストリアワインの主流は白の辛口ワインです。口当たりがよく、つい飲みすぎてしまうほど。日本でも、オーストリアワインのファンが随分と増えて国内でも輸入されたワインを購入できるようになりました。レベルも高く、近年ではますますクオリティーが上がり
国際コンテストでも賞を取るワイナリーが出てきています。そのために、長年続いたホイリゲを閉店して現代にあったワイナリーを経営するところも増えているようですがこちらにいらしたときには、ウィーン子が愛するこのホイリゲで新酒のワインを是非、皆様にお試しいただきたいと思います。